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音楽

【ライブ画像あり】ヨルシカ LIVETOUR2023 「月と猫のダンス」 レポ【ヨルシカのすゝめ】

音楽

ヨルシカメンバーの皆さまツアーお疲れ様でした。
「月と猫のダンス」最終公演である沖縄公演が無事終了とのことで、月猫レポートネタバレ解禁です!!

ヨルシカとは?
2017年結成の、コンポーザーのn-buna(ナブナ)、ボーカルのsuis(スイ)からなる男女2人組ロックバンド。爽快なサウンドから綺麗なバラードまで様々な楽曲があり、詩的な表現の歌詞が特徴的。
最近ではCM、映画、ドラマ、アニメなどに楽曲が使用されることも。

今回も素晴らしいライブでした。
ありがたいことに二日間参戦できましたので、割と細部まで内容を覚えている自信があります!!(完璧とは言ってない)

※衣装、ステージセット、朗読、映像などの再現イラスト有(!無断転載禁止)。
※朗読はハイセンスなn-bunaさんの言い回し、極力再現したつもりですが一字一句同じとはいきませんのでご了承ください。こういった内容なのかくらいで。
重要だと感じたセリフに関しては再現できている自信あります!(たぶん)

月と猫のダンス 概要

数年同居した女性と別れ、
海辺の部屋で暮らす画家の男。
彼の元には数日、
もしくは数ヶ月おきに動物が訪れる。
ある時はカナリア、
ある時は蛙、カメレオン、兎、梟、羽虫……。
月の綺麗な晩、昔人に教えられ
唯一弾けるピアノ曲
(ベートーヴェン、ピアノソナタ14番)を弾いていると、
彼は面白い事実に気がつく。
動物達はピアノを弾いている間だけ、
奇妙な踊りを踊る。

ヨルシカ公式サイト「月と猫のダンスより」
ヨルシカ LIVE 2023「月と猫のダンス」|ヨルシカ OFFICIAL SITE
コンポーザーとして活動中の”n-buna(ナブナ)”が女性シンガー”suis(スイ)”を迎えて結成したバンド。

公演レポートは目次▶セットリストから

ツアー日程

〈宮城公演〉仙台サンプラザホール
2023年4月15日(土)OPEN / START:17:00 / 18:00
2023年4月16日(日)OPEN / START:16:00 / 17:00

〈愛知公演〉名古屋国際会議場 センチュリーホール
2023年4月22日(土)OPEN / START:17:00 / 18:00
2023年4月23日(日)OPEN / START:16:00 / 17:00

〈大阪公演〉大阪・フェスティバルホール
OPEN / START:18:00 / 19:00
2023年4月26日(水)
2023年4月27日(木)

〈東京公演〉東京国際フォーラム ホールA
OPEN / START:18:00 / 19:00
2023年5月11日(木)
2023年5月12日(金)

〈北海道公演〉札幌文化芸術劇場 hitaru
OPEN / START:18:00 / 19:00
2023年5月31日(水)
2023年6月1日(木)

〈福岡公演〉福岡サンパレス
OPEN / START:18:00 / 19:00
2023年6月15日(木)
2023年6月16日(金)

〈沖縄公演〉沖縄コンベンションセンター劇場棟
2023年6月24日(土)OPEN / START:17:00 / 18:00

公演レポートは目次▶セットリストから

公演時間・雰囲気

ヨルシカのライブは朗読と楽曲で構成されたコンセプトライブ。
演出上、静かに座って観覧するスタイルです。

前回、アナウンスがあったように今回も双眼鏡の禁止など同じアナウンスがありました。

ステージセットの撮影は公演中を除きOKです。

これまでに行われたコンセプトライブの「月光2019/月光 再演2022」「盗作2020」「前世2021」は1時間半ほどの公演時間。
前回の「前世2023」と今回の「月と猫のダンス」は2時間半ほどなので今後もその可能性で時間に余裕をもって参戦が◎

今回からは規制退場が撤廃されていたので頑張れば早めに会場から抜け出せますが、規制退場が無くなったことに伴いましてステージ近くまで行ってステージの撮影も叶うようです。
ただこれはもちろん混み合いますので、終演後に撮影を希望する場合は会場の大きさによりますが20〜40分は時間をみておくことをおすすめ。

セットリスト

本公演は楽曲、朗読合わせて2時間半ほど

1.ブレーメン
2.又三郎
3.老人と海
4.さよならモルテン
5.都落ち
6.パドドゥ
7.チノカテ
8.月に吠える
9.451
10.いさな
11.雪国
12.第五夜
13.夏の肖像
14.靴の花火
15.左右盲
16.アルジャーノン

<出演者> (敬称略)
ボーカル:suis
ギター:n-buna
ギター:下鶴光康
ベース:キタニタツヤ
ドラム:Masack
ピアノ&キーボード:平畑徹也

アクター:横山賀三(仙台・札幌公演)
    村井成仁(名古屋・大阪公演)
    西川大貴(東京・福岡・沖縄)

ヨルシカ公式Twitterより

ステージセット・衣装

まず、今回のライブではこれまでと異なる点があります。
ヨルシカのライブというとn-bunaさんによる朗読があることが特徴ですが、今回は役者さんによる朗読”劇”といったものでした。
ステージ上を大きく使い、身振り手振りで表現しながら話が進んでいきます。

※気になる方もいると思いますがお顔を出していないヨルシカの意向に沿い、容姿については一切述べませんのでこの記事ではライブの内容や雰囲気を楽しんでいただけたらと思います^ ^*
衣装は演出において必要と思い描いております!

suisさんはいつもロング丈ワンピースに裸足で歌われていますが、今回は身幅・袖幅・裾幅など全体的に幅広のジャケット・パンツのセットアップ。
足元ははっきり見えず裸足かは確認できていません><

n-bunaさんは福岡1日目はトレーナーだったような…。二日目はジャケットとネクタイは確実に着用していました。(ただし曲間からだったかもしれない)

描ききれていないですが、インテリア雑貨が所狭しとならんでいて生活感溢れる部屋。
基本的に部屋で朗読の話は進むので、手前の部屋のセットのみライトアップされていました。場面によって2つの窓の外の景色が変わっていきます。

開幕

真っ暗なステージ。
スクリーンに映し出されるwritten by n-bunaの文字

部屋の中央に置かれたキャンバス。そのキャンバスに向き合い、絵を描く一人の男性。
広い部屋は『左右盲』のMVで描かれている場所のようで、窓からは海が見える。

「はあ。」大きく肩を落とす男性。

外は晴れている。対照的に心は暗い。
ここ最近、いいものが描けない。いや、描けないとは違うかもしれない。
毎日、キャンバスとベッドを往復する日々が続いている。

『キィー、キィー』
ハッとする男性。向かって右手の窓へ歩いていき外を眺める。
「鳥だ。あいつらはいいよな、働かなくとも生きていくあてがある。───生きづらい世の中だ」
「そうだ、気分転換にあれでも弾くか」キャンバス傍のピアノへ向かい腰掛け、音を奏でる

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『ニャーン』
どこからか猫のような鳴き声。ピアノの手を止めるも、気のせいかというそぶりをして再度弾き始める


♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

ギター、ベース、ドラム、キーボードと次第に音が続き、奏でられるバンドサウンド。
そのまま一曲目へ

それぞれのポジションはこんな感じ。ライブはいつもこの並びで固定です。

▷ブレーメン
”この夜の隅っこで”
会場内に響き渡るsuisさんの声。”この夜の”の声の出し方、ロングトーンで一瞬にして惹きこまれる会場。
バンドメンバーによる”パーパッパパドゥ”の時、曲にのりながらゆっくりメンバーを見渡すsuisさん。

▷又三郎
爽快なバンドサウンド。みんな大きく体を揺らし、時にはジャンプし、ブレーメンに引き続いての又三郎で胸を打つ音。ライブに来たんだと実感。

ヨルシカは本当に一音一音、全てにおいて音が良い。まさに、
”僕らを呑み込んでゆけ”

「あなたの描く絵は何か足りないわ」あの日彼女が言った。
数か月前に別れ、家を出て行った彼女。プロモーターをしている。「絵に面白味がないわ」と言った。まるで写真のようだと。
事実、私は売れない画家という立場だった。

無為に一日を過ごした。頭の中に空白がある。全てを呑み込むような余白が。
窓を開けると生温い風が吹いた。湿った土の香りがする。
「こういう時にピッタリの曲がある。ピアノソナタ。」ピアノの前に腰掛ける

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『バサバサ、ピーチチチ』
「鳥だ。鳥はどうも苦手だ。こうなると手がつけられない」頭上を指さして旋回するような仕草
「まあそのうちどこかへ行くだろう」

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『バサバサ、ピーチチチ』
窓枠に移動している。ピアノから離れ窓に近づく
「カナリアだ。」
カナリアはしばらく経っても動かない。黒い瞳で私を見ている。
追い払おうとゆっくり手で払う。しっし。次第に動きは大きくなっていく。しっし
しっし。しっしっし。しっしっしっし。

「え、生きてるよな??」コミカルな感じのワンシーン

「まあいいや、ピアノを弾いていたんだ」

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『バサバサ、ピーチチチ』
カナリアは動いていた。音が止まるとカナリアも止まった。
鍵盤を長く押してみる。カナリアは羽を広げた。右腕を大きく緩慢な動作で羽の動きをする


音がとまる。カナリアも止まる。大きく動かしていた腕を静止する
鍵盤を短く押してみる。羽はすぐに静止する。
あの黒い瞳で私を見ている。
私は月光を弾いた。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

ワルツを踊るように羽を広げている。
ピアノをやめるとカナリアも止まった。

カナリアと向き合い、スケッチをする
私はカナリアを描き続ける。夜が更けていった。

海の遥か遠く、飛んでいくカナリアを私は想像(創造)する

▷老人と海
”遥か遠くへ”
遠くへのびるsuisさんの歌声、清々しいギターの音色。
真っ青なライト、波打つ音。

▷さよならモルテン

鹿が私を見つめている。
赤い花が咲いている木の下に私が立っている。手に箱を持った私がいる。
これが夢だと私は気づいている。

頭の中に明確に描ける景色がある。
木漏れ日のみち、夕暮れの商店街、ベンチと教会、異国の街、雨のカフェテラス。

それをそのまま出力する。
彼女の言った通りだ。私の絵には面白味が足りない。

窓を開け煙草に火をつける。窓へ向かい煙草を吸う仕草
手を下すと指先にぬるりとした感触。
「うわぁ!!」
「蛙だ」
追い払おうとするが蛙は動かない。
既視感がする。

ピアノへ戻る
「うわぁ!!」
移動してやがる。ピアノの上だ。
「勘弁してくれよ~、大家さんのピアノなんだぜ。」
月光が天板と蛙の体を照らしている。

既視感の理由を思い出した。数か月前のカナリアだ。
私は月光を弾く。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

蛙は腕を持ち上げる。その黒い瞳が私を見つめている。緩慢に腕を上げ、蛙の動き
蛙を描く、弾いては描く、描いては弾く

蛙を持ち上げ窓枠へ置く。ピアノの天板から持ちあげ手のひらにのせ、窓へ歩く
手を洗って洗面台から戻ると、蛙はいなくなっていた。

ピアノへ向かうと、天板の上に
何 か が い る

「カメレオン。」
私を見つめている。鍵盤を押す。カメレオンはピクリとする。
彼らは一体なにが目的なのだろう。ロマンチシズムに言うならピアノの音を求めてやってきているのか。
そんな本を読んだ気がする。

私は弾く。ベートーヴェン ピアノソナタ14番、通称”月光ソナタ”。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

ピクリと尻尾がピアノの表面をなめる。波のようにゆらゆらと。右腕で尻尾の揺れるさまを表現

私はスケッチブックを手に取る

▷都落ち
“さらり花咲くや 赤ら引く頬に”
特にサビやCメロで、さぁーはらり、といった詩吟を意識したような歌い方や各パートごとにそれぞれ楽器の良さが引き立つ。
前奏→ピアノ×ボーカル
サビ→ベース×ボーカル
間奏→ギター

▷パドドゥ
”思い出の中に僕らはいる”
ラストn-bunaさんギター早弾き。さすがの技術。

▷Inst

▷チノカテ

窓の下に茶色い物体が丸まっている。
「兎だ」
気にしないようにしよう。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『ガシガシ』
ピアノを弾く手を一瞬とめる

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『ガシガシ』
立ち上がり、窓へ近づく
「かじってやがる。」
「君たちにはわからないだろうけど、人間には気分転換が必要なんだ。よし、言うだけは言った」
『ガシガシガシガシ』
我慢ならないと手を振り上げる。大きくかぶる
「こんばんは」大家さんがやってきたようで腕を上にあげた状態で静止する
「・・・涼しい夜ですね」上げた手を誤魔化すように動かす

大家を見送る。兎をゆっくりと持ち上げ部屋へ下す。
うさぎが何かを訴えかけているように感じる。
「お前もこれか」

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

月光ソナタはイントロダクションを繰り返す。
兎は脚をあげ、体を天に伸ばす。うさぎを表現するかのように両腕をあげ、天を仰ぐ

それはまるで、奇妙な踊りを踊っているような

▷月に吠える
”一切合切放り出したいの”
ベース。一切合切、生きているっての部分の歌い方。

▷Inst

▷451
n-bunaさんが前に出てくる。
会場は真っ赤なライトに包まれている。映像は見開きの本が絶えず真っ赤に燃え上がっている。

体を揺らしながら、まるで押し込めた爆弾が爆ぜるかのように動き、歌い上げる。
アルバムは緩やかに燃ゆるような内に秘めた部分を残すかのような印象の歌い上げだが、ライブでは全て吐き出すかのような爆ぜるような印象を受けた。
要約するとめちゃくちゃかっこよかった。

常に体を揺らしながら。”見ろよ 変な奴らだ”でしゃがみ込み、前の客席を指さし。
ジャケットプレイもしていた。バッとジャケットを翻し、脱いで軽く振り回し落とす。
サビはsuisさんと顔を見合わせながら一緒に歌唱。

suisさんとはまた違ったかっこよさを持つ歌い方、すごさがあり、畏怖のような。
あの場にいた人は皆惚れ直したのではというほど。いや全員惚れ直したにちがいない
作曲、作詞、ギター、歌。”n-buna”という存在に改めて圧倒された。

『プルルルル・・・』響く電話の呼び出し音

「宮沢賢治みたいね。」彼女が言った。
「宮沢賢治って、あの教科書とかに載ってる昔の小説家の?」
「そう、セロ弾きのゴーシュって知ってる?ゴーシュの音色を聴くと怪我が治るって、毎晩動物たちがやってくるの。」

「うちに来るやつらは踊るんだ。」
「蛙が腕をあげたり。この前なんて、コウモリだった。逆さじゃないコウモリは紳士的に感じたね。」
「まあ最近はそんな感じかな。そいつらをスケッチしてる」
「いいんじゃない。絵本作家にでも転職したら?
”絵の雄弁さはときに言葉と変わらない”


いい言葉だ。
「誰の言葉なんだ?」
「あなたよ。昔自分で言った言葉も忘れたの?」
そうだ、昔そんなことを言った気がする。
”絵の雄弁さはときに言葉と変わらない。全ての創作は方法を変えた言葉でしかない”

静寂の部屋で彼女の言葉を反芻する。動物たちをテーマに何か描いたら。

遠い昔のように感じる。彼女との別れの時を。

▷いさな
魚の胸びれのようなライティング。

▷雪国
静かな曲調で、suisさんの声が会場内に浸透する。しんとした雪の情景を思わせる歌声とバンドサウンド。

『バサバサッ』
「梟だ」
私はスケッチする。

次は羽虫だ。二本のはさみを開閉する。筆を動かす。

『コツコツ』
窓をつつく音がする。
「鹿だ」

『ギュゥィゥゥ』
鹿ってああ鳴くのか。私は弾きなれたイントロダクションを繰り返す。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

『ギュゥィゥゥ』鳴き声を受けて鹿のいる窓のほうへ向かう
「静かに」
『ギュゥィゥゥ』
「声を出さずに」口元に指を近づけ、しーっという仕草
『コツコツ』
「それもなし」

鹿が私を見ている。あの黒い瞳で。深い夜のような
もう一度ピアノへ向かい、イントロダクションを弾く。

鹿をスケッチする。

『プルルルル』
「送った絵見てくれた?あの動物たちの」
「すらすらと描けたんだよ」可笑しそうに言う
言い終えるかくらいのタイミングでドラムのクラッシュシンバルを叩き、シャー―ンと鳴らす
「踊る動物ってタイトルの連作画」

「カナリア、兎、カメレオン、蛙、羽虫、梟、コウモリ・・・・。あと、鹿」話しながらステージ上を歩き、キーボード傍へ
「いや、ほんとに来たんだよ牡鹿」可笑しそうに言う
平畑さんの隣に立ち、ふたりゆっくりと顔を見合わせ・・・
「いやほんとに来たんだよ、」
平畑さんの綺麗な形の頭頂部に手のひらをゆっくりと乗せる。
ふたりはゆっくりと顔を正面に向けながら

「牡鹿」微笑む平畑さん。コミカルなワンシーン

「最初の一枚は人間にしたんだ。人間も動物だからね。」
「展示会?ああ、あの場所の。やるよ。ありがとう」プロモーターをしている元恋人から展示会をしないかと話を持ち掛けられる
またとない機会だ。やるぞ。
気合いをいれ、キャンバスに向かい絵を描く

第五夜

▷夏の肖像

▷靴の花火

開いた奥のドアで大家さんと話している
「・・・はい、すみません。気を付けます。」

ピアノへ腰掛ける。イントロダクションを弾く。

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

猫がピアノの天板へやってくる。ピアノを弾く手をとめ、天板上の猫を見ながらスケッチをはじめる
「君たちを描いたんだ。面白くかけているだろ。」猫へ語りかけながら手を動かす
「生きづらい世の中だな。餌をあげていると思われている。どちらかというと弾いているわけで・・。」

「君たちのおかげで個展をひらけるって言うのに。」
「ピアノを弾いているだけなんです、そしたら動物たちが寄ってくるんです、って言ったら狂人を見るかのような目をされたよ」

流れ出す月光ソナタ
♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

私は猫と目があう。どきりとする。
猫は深い夜のような眼をしている。水面のようにゆらゆらと光っている。
私はどこかで見たことがある気がする。遠い昔。

顔に何かが伝う。指で触れる仕草
「涙だ」

月光が鍵盤を照らす。
猫が私の頬に鼻をつける。まるでキスをするかのように。そして、ふらりと立ち去った。
私が彼らを見た最後だった。

▷左右盲

▷アルジャーノン
Cメロでsuisさんのみライティングし、他は闇が包む。
ラスサビで、会場内に広がる青白い星々、銀河のような輝き。その光は次第に一部が橙色に輝き、次第にちらちらと不規則に弱い光になったり強く輝いたりする。

ラスト曲の演出はいつも感動させられる。歴代全て胸を打つ。

場面は個展当日へ。並ぶ10枚の絵。
「これは私の家にやってきた、不思議な動物たちの様子を描いた連作画です。
彼らは夜半過ぎになると 私のピアノの前に座り、奇妙な踊りを踊ります。
それには不可思議な魅力が溢れているのです。私はその様子から着想を得た10枚の連作画を描きました。
どうぞお楽しみいただけると幸いです。」ジャケットを着て登場。来場者へ向けていう。(入場特典のポストカードのメッセージと同じ文言)

「一枚もらっていい?」
数か月前に別れた、元恋人が居た。
「今日はありがとう。」
「絵が良かったから、背中を押したかっただけよ。」
「最近どう?忙しいみたいだけど」
「仕事は忙しいけど、やりがいがあって楽しいわ。」
変わらないなあ、と言おうとしてやめた。変わらないように見えて、誰しも変わっていく。
時間が流れているのは私だけではないのだ。

元彼女の左薬指に指輪が見えた。私はそれに気づかないふりをする。
「ま、まあゆっくりしてってよ」

連日の展示会は終わりを迎えた。
絵の購入の申し出があって、悩んだ末に猫の絵を残して他は全て売ることにした。
片していると彼女が来る。
「お疲れ様。どうだった?」
「うん、やってよかったよ。絵の購入もあった。踊る動物たちと、併せて展示した昔の絵も。ほら、君が好きじゃないって言った、前世を夢にみるって絵。」
彼女は頷き、ゆっくりと首を横に振った。
「私、好きじゃないって言ってないわ。面白味がないって言ったの」
そうだったのか、あの時彼女はアドバイスをくれただけだったのか。私は一体、何に囚われていたのだろう。

左薬指の指輪がきらりと光った気がした。

「ここまででいいわ。」
彼女を展示会場の入り口へと送り届ける。
外は茜色が広がっている。
「いいコンセプトよね。動物ってとっつきやすいし。共通のコンセプトで見やすいし、面白かったわ」
「それに・・・」
「あなたが描いた動物たち、あなたに少し似てる。特にあの猫、ピアノを弾く時のあなたそっくりなんだもの」
頭を打ったような衝撃がしていた。
「ピアノ・・?」
「うん、ピアノ」

場面は部屋へ
秋の月光が部屋へ差し込んで、10枚の絵を照らしている。

ある想像が頭に浮かぶ。
薄明るい部屋の鏡の前に立って、あの動物たちのポーズを真似してみる。
羽を広げるカナリアの動き、――――――――――
――――――――そして、脚をあげる猫。

あれは本当に踊りだったのか?
あいつら、本当は・・・ピアノが弾きたかったんじゃないか?

私は考えながらピアノの前に腰掛ける。
動物たちのダンス、か・・・

♪ベートーヴェン ピアノソナタ第14番”月光ソナタ”

月光ソナタが流れたまま、鍵盤を奏でる仕草をそのままに客席へ体を向ける。
そのまま立ち上がり、大きく体を動かし緩慢に腕を振り上げながら全身を使ってピアノを弾くかのような動きをみせる。白いライトが体を照らしている。

それはまるで、月光に照らされながら踊りを踊るかのように

フェードアウトしていく”月光ソナタ”と白いライト

終幕

暗がりのなか、ステージ向かって左にsuisさん、右にn-bunaさんが歩いてきてライトアップされる。
n-bunaさん、suisさんふたりが同時にお辞儀をする。n-bunaさんは右腕を腹部に添え、ボウ・アンド・スクレープを簡略化したお辞儀をみせる。
ふたりが静かにステージ袖へとはけていき、ステージ中央には役者さんがひとりライトアップされお辞儀をする。

ステージには暗闇と静寂が訪れる

―――――――――
―――――――――――――――――――


改めて、こんな声だせるのは人類でsuisさんしか居ないのでは、と。この後も次から次に曲を聴くほど、そう感じました。
今回の”幻燈”は異なる雰囲気の洒落た曲で、これまで以上に曲による歌い方の違いがあったものの見事に歌って表現できる技術に脱帽。

suisさんの歌声、n-bunaさんのギター、下鶴さんのギター、キタニさんのベース、Masackさんのドラム、平畑さんのピアノ、演出、その全てが会場内へと浸透し、”ヨルシカ”という世界観を構築する。

月と猫のダンスについて【ヨルシカのすゝめ】

「月と猫のダンス」の楽曲

今回のライブのセットリスト曲は画集アルバム「幻燈」に全て収録されています。
ちなみに一部楽曲はストリーミング配信サービスにもなく、公式によれば今後も配信はありませんので、全曲聴くには「幻燈」を入手する以外ありません。

▼今回のセトリ収録アルバム▼

「幻燈」

▼「幻燈」の元となった作品のまとめはこちら▼

「月と猫のダンス」の主軸

今回の公演の朗読の主体となっている、一人の絵描きは楽曲「左右盲」にて一人称視点で描かれているその人物と思われます。
「左右盲」のMVで描かれている、窓から海の見える部屋にておこる出来事。

絵描きは不思議と鮮明に思い浮かぶ景色が頭の中にあったり、様々な”私”を夢に見たり、夜の水面に既視感を覚えて涙したり・・・。
動物たちは、”月光”ソナタに反応し、”ピアノ”が弾きたいかのような仕草をみせる・・・。

キーワード・関連楽曲

朗読にて登場した、重要なキーワードと特に関連する楽曲&その楽曲の収録アルバムを書き出しておきます。(メモクオリティ)
言ってしまうと全楽曲繋がりあるので全部おさえておくと(‘ω’)b

アルバム「夏草が邪魔をする」と「負け犬にアンコールはいらない」➤少女と幽霊
赤い花が咲いている木の下に私が立っている。➡百日紅(さるすべり)。

「夏草が邪魔をする」
・夏陰、ピアノを弾く(Inst)
・靴の花火
・雲と幽霊

「負け犬にアンコールはいらない」
・前世(Inst)
・ただ君に晴れ
・夏、バス停、君を待つ(Inst)

アルバム「だから僕は音楽を辞めた」と「エルマ」➤エイミーとエルマ
手に箱を持った私がいる。➡青年エイミーがエルマに宛てた一つの箱。「だから僕は音楽を辞めた」の初回限定盤はこの仕様。
木漏れ日のみち、夕暮れの商店街、ベンチと教会、異国の街、雨のカフェテラス。➡二つのアルバムで描かれている場所。エイミーが生活を営んでいた場所や旅で訪れた場所。
深い夜のような眼をしている。水面のようにゆらゆらと光っている。
私はどこかで見たことがある気がする。遠い昔。
➡月光
ピアノが弾きたかったんじゃないか➡エイミー、エルマ(?)

「だから僕は音楽を辞めた」
・八月、某、月明かり
・エルマ
・だから僕は音楽を辞めた

「エルマ」
・夕凪、某、花惑い
・雨とカプチーノ
・神様のダンス
・心に穴が空いた
・森の教会(Inst)
・エイミー
・海底、月明かり(Inst)

月光 再演」(DVD/BD)

2022年開催のライブ。内容は、2019年に開催された「月光」と同じ。

アルバム「盗作」と「創作」➤盗作おじさんと奥さん
赤い花が咲いている木の下に私が立っている。➡百日紅(さるすべり)。前世
深い夜のような眼をしている。水面のようにゆらゆらと光っている。
私はどこかで見たことがある気がする。遠い昔。
➡前世
ピアノが弾きたかったんじゃないか➡盗作おじさん、奥さん(?)

「盗作」
・盗作
・花に亡霊

「創作」
・春泥棒
・嘘月

2021「前世」(DVD/BD)

2023「前世」▼

2021年に行われた「前世」と同じ公演名ですが2021年の「前世」は配信ライブで、セットリストや演出など内容が異なります。

アルバム「幻燈」
部屋の中央に置かれたキャンバス。そのキャンバスに向き合い、絵を描く一人の男性。➤『左右盲』

楽曲ひとつひとつのストーリーを掘り下げるにはアルバムの初回限定盤がおすすめ
手紙や小説が同封されており、より楽曲の背景を詳しく知ることができます。

これまでのヨルシカ楽曲を聴くには音楽配信サービスアルバムを。(全楽曲網羅するには「幻燈」アルバムが必須)ヨルシカの楽曲をより楽しむためにはアルバムがおすすめです
一部楽曲はYouTubeに投稿もされています。投稿がされている曲は、投稿文必見なのでぜひチェックを!

▼ストリーミング配信サービス▼

AmazonMusic Unlimitedの特徴
✔︎無料でハイレゾプランにアップデート
✔︎オフライン再生可
✔︎歌詞表示
✔︎初回は30日間無料体験可

ヨルシカの良さと言えば色々ありますが、何より音の良さを推したいです。
爽快なギターのメロディライン、ベースの体の芯まで響くかっこいい低音、かっっこいいドラム、ピアノの綺麗な音色、ボーカルの透き通った高音から地を這うような低音。各楽器とボーカルの圧倒的技術力。
そんなヨルシカのバンドサウンドを楽しむには最適のハイレゾプランがあります。
また、歌詞の良さもヨルシカの特徴。n-bunaさんの言葉遊びを、楽曲の背景を感じるには歌詞を見ながらじっくり聴くのがおすすめ。

まとめ

今回の公演において度々登場した、重要なキーワードである『月光』『前世』
ヨルシカの楽曲・ライブ総じての超重要なキーワードであるわけですが、この『月光』『前世』というワードがどう他の楽曲との繋がりがあるのか、また、「夏草が邪魔をする」と「負け犬にアンコールはいらない」、「だから僕は音楽を辞めた」と「エルマ」、「盗作」と「創作」などそれぞれの背景については、まずは曲を聴き込んで実感・考察してから色んな方の考察も読んでみるのがおすすめ。
なのでここで詳細を述べるのは控えてますので、ぜひ自分の考えを巡らせてみて下さい。これがまたヨルシカの楽しみ方。

初限の特典やライブの朗読は特に、(゜д゜)…( ゚д゚)とさせられます。
こういう事だったのかと気づいた時の鳥肌がすごい。….とまあ語りが止まらなくなりそうなのでここまでで。▶円盤化しているライブ

純粋にどの楽曲もサウンドがとても秀逸なのでぜひ!!
これまでに発表されているヨルシカ楽曲を聴けるストリーミング配信サービス▼
※一部楽曲を除く

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